「exaBase生成AIの力で新規事業を推進――
自社活用から東北地域の活用支援まで」(東北電力様)
2026年6月 exaBase 生成AI 東京ユーザー会 レポート
自社活用から東北地域の活用支援まで」(東北電力様)
こんにちは。株式会社エクサウィザーズ AI新聞編集長の湯川鶴章です。
6月9日、株式会社Exa Enterprise AI(EAI)主催の「第34回 exaBase 生成AI 東京ユーザー会」を開催しました。オンライン・オフラインあわせて多くのお客様にご参加いただき、誠にありがとうございました。
毎月恒例となったユーザー会ですが、今回はとりわけ東北電力株式会社 事業創出部門の鈴木美咲様によるゲスト講演が大きな注目を集めました。本レポートでも、東北電力様の取り組みを中心にご紹介していきたいと思います。
exaBase生成AIが支える、東北電力様の新規事業と地域支援

東北電力株式会社事業創出部門の鈴木美咲様からご講演をいただきました。ご講演タイトルは、
「exaBase生成AIの力で新規事業を推進〜自社活用から、東北地域の活用支援まで」。
電力という社会インフラを担う企業が、なぜ生成AIに本腰を入れて取り組むのか。その背景から、具体的な活用のイメージまでをわかりやすくお話しいただきました。
まずご紹介いただいたのは、新規事業創出の現場での生成AI活用です。
新しい事業アイデアを検討する際には、膨大な情報収集や企画書のたたき台づくりが必要になります。そこでexaBase生成AIを使い、
・市場・技術トレンドの調査
・類似事例の整理
・事業コンセプト案のブレスト
・社内説明用資料のドラフト作成
といった作業を効率化しているとのことでした。人がゼロから考えるのではなく、「AIにまず案を出させ、そこから人が磨き込む」スタイルに変えることで、企画検討のサイクルを素早く何度も回せるようになってきたそうです。
次の話題は、社内の業務効率化です。
社内報や稟議書の下書き、会議の議事メモ作成、FAQの整理など、日々の細かな業務にもexaBase生成AIを広く活用されています。特に、社内に散在している資料やルールをAIに要約させることで、「調べる時間」を大幅に削減できているとのことでした。
さらに印象的だったのが、東北地域全体のDX・AI活用を支援していきたいというお話です。
自社での試行錯誤を通じて得られた知見を、将来的には東北の企業や自治体にも共有し、地域の産業振興や人手不足解消に役立てていきたい――。そのための基盤として、社内でexaBase生成AIをしっかり使いこなし、「実際に役に立つ活用モデル」を蓄積していくことを重視されていると語られました。
講演の最後には、導入・浸透に向けた工夫の一端もご紹介いただきました。現場の不安を和らげるための説明会の工夫や、「まずは自分の業務で使ってみよう」と思ってもらうためのユースケース紹介など、地道なコミュニケーションの積み重ねが印象的でした。
「ぐるぐるモデル」を社内で回す時代へ――AIトレンド共有
東北電力様のご講演に先立ち、私からは最近のAIトレンドをコンパクトにご紹介しました。テーマは、「ぐるぐるモデルを社内で回す時代」です。
20世紀のビジネスモデルが大量生産だったとすれば、21世紀は「自己改善を続けるぐるぐるモデル 」が鍵になります。AIエージェントが業務データをもとに自ら学び、成果を少しずつ改善していく。そのループをどう設計し、どこに数値目標を置くかが、人間側の重要な仕事になっていきます。
営業やECのカスタマーサポートを例に、
・ターゲットリサーチ・商品・サービスのマッチング
・提案資料・メール作成
などを複数のエージェントで分担し、結果を学習ループに戻していく「エージェントチーム」のイメージもお伝えしました。
ここでポイントになるのが、モデルやツールだけでなく、社内ルール・顧客情報・過去事例・ブランドトーンなどをまとめた「コンテキストレイヤー」です。Teamsなどのチャット履歴から暗黙知を抽出し、このレイヤーに載せていくことで、「組織のやり方を理解したAI」に近づいていきます。
進化を続けるexaBase生成AI:モデル・ツール・エージェント
プロダクトアップデートパートでは、EAIプロダクトチームから最新情報をお届けしました。ポイントは次の3つです。
1.モデル・ツールの拡充
GPT-5.5、Claude Opus 4.8、Gemini 3.5 Flash など最新モデルを追加し、ウェブリサーチ、音声書き起こし、SharePoint検索、Outlook予定確認といった業務向けツールも強化しました。
2.エージェント中心の活用へ
標準テンプレートの多くを公式エージェントに移行し、新たにカスタムエージェント機能をリリース。やりたいことを文章で入力するだけで、AIが自動的にエージェントの設定を行う仕組みを整えています。
3.オンボーディングの改善
初めてのユーザーでも迷わず使い始められるよう、ウェルカムチャットを全面的にリニューアルしました。管理者の皆さまには、オンボーディング用チャットパートナーをONにしていただくようお願いしています。
今後は、エージェントの検索性向上やスライド作成ツールの提供、「組織ガイド」「組織ナレッジ」といった機能を通じて、組織の知をAIに反映しやすくしていく予定です(現時点での開発予定であり、内容・時期は変更となる場合があります )。
エージェントTips:自社フォーマットへの“あと一歩”を埋める
最後の「エージェントTips」では、既存エージェントを自社仕様にカスタムするコツをご紹介しました。
生成AIプロンプトを構成する
・役割
・目的・手順
・入力
・出力形式
・制約条件
という6要素のうち、とくに⑤出力形式と⑥制約条件を調整するだけでも、自社フォーマットへのフィット感が大きく変わります。
具体例として、スライド資料作成エージェントを題材に、
・ページ構成やレイアウトのルール・使う色の数やカラーコード
・ページ番号の表示位置
といった条件を制約として書き込むことで、「最初から社内テンプレートに近いスライド」を自動生成できることをデモを交えてお見せしました。生成したスライド画像は、別エージェントでPowerPointファイルに変換することもできます。

参加者様の声
今回もアンケートには多くのコメントをお寄せいただきました。その一部をご紹介します。

まず、東北電力様のご講演については、
「東北電力様の事例紹介が具体的で素晴らしかった。」
「東北電力様の取り組みが参考になりました。先輩企業の工夫や苦労を聞けるので大変有意義です。」
といった高評価の一方で、
「事例紹介というよりは取り組みや営業紹介が多かったので、実際の取り組みをもっと聞きたい。」
という、今後への期待を込めたご意見もいただきました。次回以降は、効果指標や運用プロセスなど、さらに踏み込んだ事例をご紹介できればと考えています。
プロダクトアップデートについては、
「プロダクトアップデートを最初に持ってきたのはよかった。落ち着いて聞くことができました。」
「exaBase生成AIの直近のリリースや予定内容を事前に把握できる場として毎回ありがたい。」
と、順番の工夫も含めてご好評をいただきました。
新機能の中でも、とくにカスタムエージェントへの期待が大きかったようです。
「今回の目玉はカスタムエージェントですね。ぜひ使いこなしていきたいです。」
「カスタムエージェントの具体的な説明はよかったです。『ぐるぐる』のワードが印象に残りました。」
「エージェント作成機能、気になっていましたがまだ触れていなかったので、実演していただけて助かりました。」
といったコメントが並び、「社内でのAI活用を一段ギアアップさせるきっかけになりそうだ」との声も多く見られました。
ユーザー会全体については、
「生成AIの最先端の方向性、exaBaseのアップデート、他社の活用事例を一度に知ることができるのが魅力。」
「他社ユーザー管理者と生の声で情報交換でき、開発要望も気軽に伝えられる場を用意してくれてありがたい。」
と、情報収集とネットワーキングの場としての価値を感じていただいているようです。運営側としても大変励みになるコメントでした。
次回のユーザー会に向けて
7月の東京ユーザー会は7月9日の開催を予定しています。
当日アンケートにご回答いただいた方には、本日の講演資料をお配りしていますので、ぜひ社内展開や勉強会にご活用ください。
東北電力様のように、「自社の課題解決」と「地域・社会への貢献」の両方を見据えて生成AIに取り組む企業が今後ますます増えていくはずです。exaBase生成AIユーザー会が、その知見を共有し合う場になれればと願っています。
今後とも、exaBase生成AIならびにユーザー会をよろしくお願いいたします。
次回の exaBase 生成AI ユーザー会のお申込みはこちら
■ 【ハイブリッド開催】exaBase 生成AI ユーザー会 @東京
- 場所:エクサウィザーズ三田オフィス(Zoom同時開催)
- 日時:2026年7月9日(木)
【リアル参加】17:30-19:30(受付開始:17:15)
【オンライン参加】17:30-18:30